【試合分析】主力不在と新体制の試練 ― PHX戦で見えたLALオフェンスの停滞

【試合分析】主力不在と新体制の試練 ― PHX戦で見えたLALオフェンスの停滞

※この記事には、2025年10月3日に行われた「フェニックス・サンズ vs ロサンゼルス・レイカーズ」戦の試合結果および内容のネタバレが含まれます。
これから録画やアーカイブで観戦予定の方はご注意ください。

10月3日に行われたフェニックス・サンズ対ロサンゼルス・レイカーズ戦。
この試合は、ルカ・ドンチッチとレブロン・ジェームズがともに欠場という厳しい布陣で迎えた一戦だった。
そして今季から新たに加わったディアンドレ・エイトンがセンターとして先発出場。
“ポストAD時代”を象徴する新体制で挑んだものの、結果は81得点に終わる完敗。
主力不在とチーム構築の過程が、数字の上にも明確に表れた。


得点構造の全体像

レイカーズの総得点は81点。内訳は以下の通り。

  • 2pt:17本(34点)
  • 3pt:6本(18点)
  • FT:29点(37本中78%)

全体の約36%をフリースローで稼いでおり、ペイントでのアタックは多いが流れの中での得点が少ないことを示している。
ルカとレブロン不在でハーフコートオフェンスが噛み合わず、セットが崩れるたびに個々のドライブで笛をもらう形が多かった。


攻撃パターン別分析

● PNR(ピック&ロール)=9得点

最も多く得点したのがこの形だが、精度は限定的。2ptが5本、3ptが4本とバランスは悪くないが、フィニッシュまでの連携が途切れがちだった。
エイトンのロールは効果的な場面もあったが、パス供給が遅く、リムまで持っていけなかった。
ボールハンドラーがレブロンでもルカでもないことで、決定力が半減した印象だ。

● ISO(アイソレーション)=3得点

個で打開する場面は限られ、成功はわずか3点。エース不在の影響が最も大きく出た項目であり、クラッチタイムでも頼れる「個」の選択肢がなかった。
ペリメーターでボールが止まり、スペーシングも悪化していた。

● Post-up(ポストアップ)=1得点

新加入のエイトンは序盤からポストタッチを得たが、サンズのスイッチ対応に苦戦。古巣相手に意地を見せたかったが、展開は単発的で、リム周りでの支配力は限定的だった。
ポストからのキックアウトも少なく、ハーフコートの停滞を象徴した数字となった。

● Off-screen/Hand-off=それぞれ1得点

動きのあるセットは機能せず、オフボールからの得点は計2点のみ。シューター陣がリズムを掴めず、コーナー3が沈黙したことが痛かった。
特に、ルカ欠場時にボールムーブが止まるのは昨季からの課題だ。

● セカンドチャンス=2得点

リバウンド後の得点は2点止まり。エイトンがリバウンドで存在感を見せたものの、セカンドアクションの完成度が低く、決め切れなかった。
対するサンズは18点を奪っており、この差が勝敗を分けた。

● TO得点(相手TOから)=4得点

速攻での得点も伸びず、1本の3Pを含めて4点。トランジションの展開力が落ちたことが顕著で、エナジー面でもサンズに劣った。


FT(フリースロー)はポジティブ材料

37本中29本成功(78%)と、積極的なアタック姿勢は光った。
ただし、流れの中での得点が伴わず、「FTで繋ぐがリズムが生まれない」典型的な展開に。
特に3Pが25%台と沈黙したことで、FTの価値も限定的になった。


総括:新センター体制とエース不在の“構造的停滞”

  • PNR偏重(9得点)
  • ISO・Post-upの機能不全(計4得点)
  • セカンドチャンス/トランジションの欠如

エイトンを中心に据えた新体制はまだ連動性が乏しく、ルカとレブロンの“創造性”を欠くと一気に停滞する構造が露呈した。
チームとして「誰がどこから点を取るのか」という明確な設計図が必要だ。


今後への展望

ポジティブに捉えるなら、主力抜きでも若手が多くのポゼッションを経験できた点。特にPNRやDHOでのトライは今後の布石になる。
次戦以降は、以下の3点を軸に立て直したい。

  1. オフボールアクションの増加
  2. キックアウトからの3P精度向上
  3. セカンドチャンス得点の強化

結論:構築途中のオフェンスが露呈した一戦

エイトンを軸にした新体制はまだ未完成。FTで粘るも、ハーフコートでの決定力不足と外の不振が響き、81点止まり。
主力が戻るまでに「型」を作れるか――それが今季序盤の最大テーマだ。

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